組織は、目標達成という成果を出すためにつくられた集団である。
成果は日々の行動から生まれる。
結果の質を高めるには、行動の質をアップしなければならない。
リーダーが権力を行使したり、アメとムチを振りかざしたりして、
無理にメンバーの行動を変えさせることもできるかもしれない。
でも長続きしないだろう。
大切なのは、思考の質を変えることである。
そのための方法として、コーチングなどの内発的なアプローチがある。
でも、やる気の火種がまったくない人には通用しない。
どうして私だけがやらなければならないのか…
なぜチームのために行動しなければならないのか…
という不信感を持つ人もいるだろう。
そこで大切になるのが、
リーダーとメンバーとの信頼関係=関係の質を高めることである。
すなわち、
「関係の質」が「思考の質」を高め、
「思考の質」が「行動の質」を高める。
「行動の質」が高まれば、「結果の質」が高まり、
「思考の質」が「行動の質」を高める。
「行動の質」が高まれば、「結果の質」が高まり、
それが「関係の質」を高めることにつながっていく。
これは、経営学者ダニエル・キム氏が提唱した「成功循環モデル」と呼ばれる、
組織改革のフレームワークである。
関係の質を高めるというのは、
組織内の相互理解を深め、お互いを尊重し、一緒に考えることである。
メンバーが自分で気づくようになれば、
おもしろいと感じて、思考の質が向上する。
おもしろいと感じるので、
自分で考え、自発的に行動するようになり、行動の質が向上する。
その結果、結果の質が向上して成果が得られ、信頼関係が高まる。
そして、関係の質がさらに向上する。
関係の質の大切さを理解せずに、結果の質だけを求めていると、
メンバーとの信頼関係が築けず、努力しても組織としての結果を出せない。
遠回りをしていると感じるかもしれないが、
何よりもまずメンバーとの人間関係の質を高めることが、
組織の成果を持続的に出していくための近道なのである。
メンバーに対して、「結果を出せ」という前に、
メンバーに対して、「結果を出せ」という前に、
リーダーがやるべき大切な行動なのである。
理想のチームを表わすのに、
「One for All、All for One」
(一人はみんなのため、みんなは一人のため)
という言葉がある。
成功循環モデルに基づくメンバーとの関係づくりが、
リーダーがやるべき行動の出発点となる。